ある調査によると、女性と比較しても、男性はカウンセリングに抵抗感を持つ傾向が強いといわれています。
なぜ男性は女性よりもカウンセリングを受けづらいのか、またカウンセリングしやすい窓口はないのでしょうか?
そこで、男性が女性よりもカウンセリングを受ける人が少ない理由についてご紹介したいと思います。
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男性が女性よりもカウンセリングを嫌がる理由
男性には、男性特有の悩みがありますよね。
統計上、男性が自殺者数全体の約7割(69.8%)を占めているというデータがあります(令和2年版の自殺対策白書)。
恋愛、過重労働、職場でのパワハラ、夫婦仲の不和などストレスの原因はさまざま。
そんな予防的ケアの一環としてカウンセリングが注目されていますが、女性よりも、男性はカウンセリングを嫌がるといわれています。
女性と比べて男性は「カウンセリングの受診率が低い」と指摘するカウンセラーもいる。都内でカウンセリングを行うあるカウンセラーによれば、男性の利用は全体の2割程度という。
出典:ダイヤモンドオンラインより
そこで、男性が女性よりもカウンセリングを受けにくい理由をここではご紹介したいと思います。
「強くなければ」という価値観
仕事や夫婦関係、健康、性、自身の生き方などでの悩み。
男性の場合、それらを抱えていても「男は弱音を吐いてはならない」とする価値観がまだまだ社会に根強く蔓延っています。
それらの価値観に縛られ、素直に悩みを人に伝えないことが多く、または「こんなことは、大した問題ではない」と考え、苦しみをひとりで抱えこみがちです。
実際に、論文『性役割観と依存欲求許容予測の関係がカウンセリングへのためらいに与える影響』(2010年/三巻佑佳・恒吉徹三)では、男性ならではの社会的価値観を強く持っている男性は、カウンセリングに抵抗感を持ちやすいことが述べられています。
「強くあれ」という男性ならではの価値観によって、無意識的に「辛い」という気持ちに蓋をしてしまう方が多いのです。
男性カウンセラーが少ない
男性特有の悩み相談について豊富な経験を有する男性カウンセラー(公認心理師等の資格を保有)はそれほど多くありません。
心理カウンセラーは女性が圧倒的に多いです。
実際に、臨床心理士や、認定心理士の資格を取得している人の男女比は、女性:約75%、男性:約25%と女性の割合が過半数を大きく超えています。
男性の方が安心して仕事後や休日にも利用できるカウンセリングルームも、少ないのが現状です。
女性は感情で訴え、男性は事実を訴える
専門家によると、男性はカウンセリングに抵抗感を持つというだけでなく、カウンセリングにおける話し方にも特徴があるようです。
女性は「仕事がとても辛いです」という風に感情を素直に表現することが多いのに比べ、男性は「とある上司に辞めてしまえと言われました」というように、起こった事実だけを客観的に話すことが多いのです。
男性はカウンセリングをより利用するようになる?
男性は、女性と比較して、日常的なコミュニケーションのなかで身近な人に相談をする機会が少ないため、カウンセリングで解決するという感覚がありません。
男性は「辛い」という気持ちを言葉で表現したりすることが難しいことからか、単に身体面の不調だと捉えてしまったりと、ストレスへの対処が遅れてしまうことが多々あります。
では、どうしたら男性はカウンセリングをより利用するようになるのでしょうか?
カウンセリングは解決策提示の場でもある
男性も女性と同じように、カウンセリングをどうすれば利用するようになるのかというと、カウンセリングへの考え方を変えることが大切です。
カウンセリングには、『辛い感情を誰かに伝えて受容してもらうことで楽になる』というメージが強いですが、カウンセリングには、情緒的なサポートをするという機能以外に『原因を捉えて問題解決をする』という意味もあります。
それも客観的に起こっている"事実"を第三者からロジカルに捉えることで解決を目指していくことができるのです。
たとえば不調が起きている時に、自分で分析するのではなく、どうしたら不調を抑えることができるのか、カウンセラーと共に分析します。
カウンセリングは、事実に焦点を当てながら、問題解決することが可能であり、弱音を吐くこととはまた別だと考え方を変えてみましょう。
健康診断と同じように利用する
一般的に、男性は「感情の寄り添い」よりも「現実的な解決策」を求めますよね。
このため、一度考え方を変え、不調を感じたからカウンセリングへ行くのではなく、「不調に至る前のメンテナンス」として利用するように考えてみることが大事かもしれません。
健康診断を利用するように、カウンセリングを利用してみよう…このように考えれば、利用しやすくなる人は多いのではないでしょうか。
男性に向けた相談窓口
全国には、男性に向けた相談窓口が設けられています。
「しんどい」、「辛い」と感じたら、窓口に相談してみてはいかがでしょうか。
ここでは各地の相談窓口の情報や、関連リンクをご紹介しています。
男女共同参画センター「男性のための総合相談」
都道府県の男女共同参画センターでは、誰もが自分らしく生きていけるように様々な悩みを抱える男性の相談に応じています。
女性だけではなく、男性に向けた相談窓口が設けられていますので、「しんどい」「つらい」と感じたら、窓口に相談してみてはいかがでしょうか。
一般社団法人日本男性相談フォーラム
日本男性相談フォーラムとは「解決することが難しいことはなんとなくは分かるけど、この気持ちを誰かに聴いて欲しい、相談したい」という男性の気持ちに寄り添い、それぞれの男性が自分らしく生きる方法を共に考えていくことを使命としています。
メンズリブ研究会(※1)が立ち上げたフォーラムで、1995年に開設されました。
エキサイトお悩み相談室
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まとめ
ここまで男性のカウンセリングの受けづらさと、その解決策についてご紹介しました。
生きづらい原因があれば、カウンセリングなどを受けるうちに、ずいぶん楽になるはずです。
カウンセリングを受けることを躊躇している方は是非参考にしてみてください。