数年に1度は大きく報じられる「洗脳事件」。
「本人は幸せだから」「問題を感じていないから」という理由で警察が介入できないケースも多く、被害者家族が民間の調査会社に実態把握を依頼することもあります。
- 「家族・パートナーが洗脳されてしまった・・・」
- 「友人を洗脳から救いたい!」
- 「あの人はなんだか洗脳されやすい気がする…」
- 「洗脳じみた考え方をしている」
- 「ネットワークビジネスや宗教集団に関わろうとしている」
強く賢いタイプの人でも、マインドコントロールの罠にかかってしまうことがあるのです。
ニュースを見ていると、この「洗脳状態」になっているな…と感じることもあるはず。
マインドコントロールの解き方や解除の難しさについてご紹介します。
洗脳状態(マインドコントロール)とは?その本質
人間は生まれたときは「真っ白なキャンパス」だと言われていて、クリアな状態です。
それが、外部の情報によって染められていき、それをベースに「個人の価値観」が作られています。
つまり、私たちが「個性」だと信じていることも、所詮は「刷り込まれた外部情報の産物」に過ぎません。
パクりだコピーだってうるさい世の中だけど、実は頭の中も、あなた起源の「完全オリジナル」ではありません。
これは、人間は誰もが「マインドコントロールをされている状態」とも言えます。
自分が常に外部(他人)にコントロールされていることを自覚しなければならないのですが、この洗脳状態が強い人がいるわけです。
そこで、そのメカニズムや、洗脳手口が分かれば、洗脳を解く方法も見えてきます。
洗脳の「本質」を見ていきましょう。
マインドコントロールを使うカルト集団の存在に近づかれた
マインドコントロールを使うカルト(破壊的カルト)にはさまざまなものがあります。
- 「宗教カルト」…代表的なカルト
- 「心理カルト」…悪質な自己啓発セミナーなど
- 「経済カルト」…マルチビジネスを含めた、ネズミ講など
- 「健康カルト」…病気が治る等と言って騙す手法など
また、カルトの中には、大変大きな組織(あまり大きくなると「セクト」と呼ばれる)、会社組織などもあります。
オセロの中島さんや、X JAPANのTOSHIさんなどの被害のケースでも知られている、「少数カルト」(個人カルト)まで、様々な形があります。
どちらの場合も、組織、教祖以外からの情報を禁じることがほとんどなので、嘘に気づけなくなります。
「善い」「悪い」でしか判断しない…思考の偏り
洗脳されてしまう原因のすべてが、カルト集団にあるわけではありません。
その人の思考の偏りが強いければ強いほど、洗脳されてしまいやすくなります。
たとえば、物事は善い面も悪い面もあります。
したがって物事を真っ二つに「白」、「黒」と決めつけて、「善」と「悪」の二元論的に判断したり、されたりすることも視野を狭める原因になります。
洗脳の本質とは「視野を狭める」ことです。
視野が狭くなり、善悪でしか判断せず、同じ人としか会話をしなくなると洗脳されやすくなります。
普段から二元論のルールを強く信じて生きている人や、他人を善悪で裁くのが大好きな人は要注意。
余計な二元論を手放し「どっちでも良い」という、ゼロポイントフィールド(空)を広げてください。
寂しさを抱え、すでに多くのものを失っている
洗脳されている人はすでに多くのものを失っています。
最初から自信がなかったり、生活を立て直すことができそうになかったりと…なにもない場合もあります。
だけど、何かにすがりついたことが原因で、お金、仕事、信頼関係、様々な人間関係、健康も、失っているとしたら、もう戻れないと感じてしまいます。
洗脳される人とは、もともと、寂しさを抱えている人なのです。
カルトや教祖のもとにいれば、ゆがんだ形ですが、賞賛や安心が得られるので、そこから離れられなくなるのです。
洗脳からの脱却とマインドコントロールの解き方
基本的に、私はなにかに洗脳されにくい方です。
相手が洗脳しようとしているその事象についても、精査&調査をするし、自分の頭で考えるから。
そもそも、そいつよりも私のほうがはるかに思考が上。
私はどちらかというと、洗脳(マインドコントロール)をする側なのです。
私を洗脳させることができる人がいれば…お目にかかりたいものです(^o^)
だけど、そうは行かない人も多いです。
マインドコントロールが進行すると、解くのはどんどん難しくなっていきます。
少しでも不審な点を感じたら洗脳からの脱却を試みる必要がありますが、強くそれを指摘したり、力づくで脱却させようとすると、失敗に終わることが多く、しばしば逆効果です。
そこで確実性のあるといわれている解き方についてご紹介します。
適切な質問をする
人は、意見を押し付けられても、自分の意見を変えません。
かえって、誰かに強く言われることで、抵抗して余計に頑なになるはずです。
洗脳されている人は、基本的に「自分自身で気づく必要」がありますので、そのための適切な「質問」が必要です。
可能であれば、その人が洗脳されているのなら、そのカルト集団について、事前に調べ疑問を持ってもらえるような質問を投げかけましょう。
たとえば、経済的に成功するためにネットワークビジネスにのめり込んでいる人の場合には、「どのくらいの割合で成功できるの?」という質問が効果的なケースが多いです。
それは、冷静に成功確率を考えるようになるからですね。
大切なのは、その人のなかで、「疑問の芽」を少しずつ少しずつ育てていくことです。
健康で素敵だった時を思い出す
洗脳される人にも、健康で素敵だった過去があるはず。
誰しもが、最初からカルト的な考え方だったわけではありません。
だから、昔の健康で幸せだった時のことを語り合うことがおすすめです。
友人や家族や恋人ならできるでしょう。
今の状態は、本当の幸せではないし、本当の素敵なあなたではないと、気づいてもらうための一歩です。
戻れる場所を作る
洗脳・マインドコントロールを解くために必要なのが「戻れる場所を作ること」。
洗脳された人は、お金・人間関係・居場所など、すでに多くのものを失っています。
家族や友人をお金を見るような扱いで勧誘したり、自分から縁を切ったり、家族に黙っていたり…実は心の中は、後悔と罪悪感でいっぱい。
一人になるのが、怖くて、離れることができない人だらけです。
ですが、「戻れる場所」があれば話は別です。
洗脳された人が、「集団や教祖から離れても、自分を大事にしてくれる場所がある」と思えていたら、そこに帰ることができます。
具体的に戻る場所を作ることが難しければ、何があっても、あなたのことを大切に思っていると伝えましょう。
いつでも、戻ってきてよい、あなたを受け入れると伝えるだけでも相手の心に伝わるはず。
ゲシュタルト崩壊(ショック)を促す
「ゲシュタルト」とはドイツ語で「姿・形」のことをあらわす言葉です。
ゲシュタルト崩壊というのは、心理的なショック療法のことで、自分自身が信じているものの姿形が壊れて、認識が切り離される現象のことを指します。
洗脳された内容を信じている人に対して心理的なショック療法を行うことで、その認識を壊して切り離すことができます。
たとえば、マルチ商法で洗脳されている人が、洗脳される段階で「お金儲け」と「健康」が結びついているので、なかなか洗脳は解けません。
ですが、ゲシュタルト崩壊をさせると、このふたつがバラバラになります。
頭の中で、それぞれが全く別のこととして認識することができるようになるので、洗脳が解けます。
自分を客観視できる「一人三役の思考術」
洗脳を解くには客観的になることが一番です。
客観的になることが難しい場合に、一人三役の思考術を行いましょう。
これは、洗脳を仕掛けてくる側が言う「反対のメッセージ」を、常に脳内でイメージするテクニックです。
例えば「これをやったら絶対儲かるよ」と言われたら「儲かるわけがない」、「リスクがある」と、正反対の発言を脳内で唱えるのです。
この「肯定と否定」の情報がセットになった時、人は初めて客観的かつ冷静な思考ができます。
肯定と否定を俯瞰的に眺めている「もう一人の自分」の立ち位置になれます。
常に、洗脳を仕掛けた者を演じるあなた、洗脳を仕掛けられたあなたを演じるあなた、それを客観的に眺めている神の視点を持ったあなたを設定します。
これを何度か繰り返すことで冷静さを取り戻し、広い視野をもって客観的な判断ができるようになります。
第三者に相談をする
まず、「こういう人は洗脳されやすい」という傾向は間違いなく存在しますが、自分の身近な人が洗脳されていると、身近なだけに対処法がわからなくなります。
そういう場合でも、第三者に相談をすると、客観的に見ることができて、洗脳を解く際の参考にもなります。
主に、以下の3つのタイプに分けられると言われています。
- 経験が浅い大学生や20代の社会人
- 子育てがひと段落した40代前後の主婦
- 職場や家庭で認められていない人
年齢が若く、経験が浅い場合、良くも悪くも現実よりも「憧れ」を優先することがあります。
また、ネットワークビジネス業界では、40~50代女性の割合がかなり多く、子育て以外に生きる目的が無かった人ほど、洗脳やマインドコントロールにハマりやすくなります。
人は誰からも認めてもらえていなければ、「自分の居場所がない」と感じてしまいます。
これらのことを踏まえて、客観的に見るためにもオンラインカウンセリングなどで、第三者に相談をしてみましょう。
まとめ
「洗脳の本質と解き方」を知っておけば、あなたが他人にマインドコントロールされるリスクは下がります。
周りの人が洗脳されているケースもあるはずです。
その場合も、その解き方を知っていれば、接し方が変わってくるはずです。
独裁者や、何かへの洗脳が原因で戦争になったり、闘いになったりする世の中です。
偏りつつある場合は、もっと思考をフラットにしてみてください。