陰謀論ってどんなものか知っていますか?
世の中は科学的に説明ができないことや、容易に理解し得ない出来事を「何者かの計画によるもの」として、世界を理解しようとする営みになります。
陰謀論は、かつての宗教が担っていた役割の代わりとして、現代社会で成長してきているといわれています。
そこで、陰謀論のメカニズムとあなたや身近な人が陰謀論者にならないようなリテラシーについてご紹介します。
陰謀論とは?
陰謀論とは、理解し得ない出来事、事象なんかを「陰謀」によって埋めるものです。
容易に呑み込めない出来事に原因や意味を求めるとき、それを説明してくれるのは、かつては「神の意志」だったそうです。
だけど、世俗化し、社会が近代化する中で、代わってその座についたのが、強力な人間による計画、つまり陰謀論です。
現在もなにか起きれば「何かの陰謀だ」とする考えが広まりつつあります。
陰謀論には主に三つのものがあります。
- 出来事に関する陰謀論: 限定的で明確に定義された出来事に関する陰謀論。例としては、ケネディ暗殺、同時多発テロ事件、エイズの蔓延に関する陰謀論(英語版)などが挙げられる。
- 体系的な陰謀論: 国や地域、あるいは世界全体の支配といった幅広い目標を持つ策謀があると考えている陰謀論。ユダヤ人やフリーメイソン、共産主義、またはカトリック教会が行っていると疑われている工作
- 超陰謀論: 複数の陰謀論を階層的に関連付けた陰謀論。頂点には万能の悪の力が置かれる。
陰謀論は、合理主義者が抱きやすい理論
陰謀論は、多くの「合理主義者」が抱く理論だとされています。
なぜ合理主義者が陰謀論を抱きやすいのか?
合理主義者は、「世界は理性的にできていて、理性的に解き明かせる」という考えを持っているからです。
出来事には明確な因果関係があり、人間の理性はそれをコントロールできる、という信念を持っているのが合理主義者。
私達の社会は常に意図しない結果に満ちています。
陰謀論はその原因を問うものなので、合理主義者であればあるほど、社会における事実上のすべてを説明できると考えるのです。
世界に意味はないと考えるより、意味があると考えるほうがいい
何かが起きた時に、「世界に意味はない」と考えるよりは、「意味がある」と考える方が分かりやすいですよね。
「なぜ、こんなことが」と思う出来事、状況に直面した時に、単純に「意味なんてない」、「仕方ないこと」だと受け入れることは難しい。
人はこんな出来事が起きたのか理解したいし、「世の中がこうなっているのは、明確な原因や意味がある」と考えたいのです。
つまり、陰謀論者は、世界を自分の認知的なコントロール下に置きたい人だといえます。
敵意や不利益を被っているという感情
いくつかの心理学的研究では、自分自身や環境に対するコントロール感の欠如が陰謀論的信念を増大させることが示されています。
特に、疎外感、無力感、敵意、不当に不利益を被っているという感情と陰謀論的信念の間には、相関があるそう。
陰謀論は、敵意や不利益を被っている感情からの秩序の回復の試みでもあります。
それを唱えることで、自己のコントロールができたり、不安を解消することができたりもします。
マスメディアで当たり前のように取り上げられるから
かつてはニッチな層に限られていた陰謀論ですが、現在ではマスメディアで当たり前のように取り上げられるようになっています。
陰謀論は、ソーシャルメディア上だけではなく、ブログやYouTube上の動画といった形でウェブ上に広く存在しています。
いくつかの陰謀論には信憑性があるものもあり、陰謀論の中には大多数の人々が信じているものもあるので、一概に否定できません。
このため、どんどん陰謀論者的な考え方に「染まってしまう」んです。
陰謀論者にならないための対処法は?
なにかが起きた時に、「これがなにかの陰謀だ!」って論じるのが陰謀論者。
「遺伝子組み換え作物に関する陰謀論」では、多くの人が飢饉に苦しんでいたにもかかわらず、ザンビアに食糧援助を拒否させる原因となったし、陰謀論はたびたび、ワクチンの接種や水道水へのフッ化物添加などへの反対を促進したりと、公衆衛生の改善を妨げる障害になったり、経済への悪影響も。
あなたの周りにも、陰謀論者はいませんか?
そこで、自分も、身近な人も、陰謀論者にならないための対処法をご紹介します。
世界はある程度策略でできている…陰謀に自分ははまらない
世界はある程度陰謀で満ちているっていうのが現実の話です。
それは「スポーツマンシップ」で公平なはずのオリンピックでも例外ではないってことで…。
人間社会は、ある程度陰謀に満ちていて、儲けたい人間、主催者たちの「計算」で成り立っているのです。
要するに、陰謀があるのは当たり前の世界なので、身近にあり続ける「陰謀」に自分がはまらなければいいだけなんです。
そういった人々の計算にどはまりしないように、対峙すれば幸せになれるわけですね。
たとえば、オリンピックのスキージャンプ団体の問題ですが…まぁ普通の人間なら、怒り狂ってやる気を失うか、陰謀ではないか?って説を唱えるでしょう。
そう主張するのは当たり前だし、たしかに腹が立ちますよね。
でも、残念ながら、世界は変わらないんです。
いついかなる時も、陰謀が仮にあったとして、半分は仕方ないと受け止めた上で、それに飲み込まれないのが幸せに生きる秘訣だと思うのです。
ってことで、ジャンプの天才の小林陵侑選手は、ああいうことに巻き込まれながらも、最大のジャンプを出せるのはもちろんだけど、チームメイトを励まして、ポジティブにやりきるのが、とても素敵でかっこいいと思いました♡
汚い世界でも、自分は策略にはまらないように幸せに生きるということを目標にしましょう。
荒唐無稽な主張は科学的に論破する
「コロナウイルスワクチンは、人口削減計画の一環」など、一部荒唐無稽な主張があります。
だけど、科学的にそれはない、と調べてみれば分かることがたくさんあります。
たとえば、「人工地震」なんかは、私は調べた上で、ありえないという判断に至ってます。
正解かどうかをここで書くのは科学者ではないので、説得力はないけど、自分で見抜く目があれば、荒唐無稽な主張や陰謀論は、バカらしく感じるものがほとんどでしょう。
専門知識がないと、信じ込んでしまう主張もあります。
でも詳しく調べてみるとすぐに分かるものも多いのです。
その発表がなされた原点や流れ、なんの情報と地続きでそれが出てきたのかを解明してみてください。
たしかに、個人が処理できる情報量はたかが知れているし、判断能力にも限界があります。
たとえば、9・11テロにおける世界貿易センタービルの崩壊過程について本当に「自分の頭で考える」ためには、一編のビデオ映像ではなく、土木工学・建築学の専門知識が最低限必要になります。
ワクチンや、ウイルス関係も医学と疫学の専門知識が必要になります。
ならばその分野の文献を読みこなしてみて、それが真実かどうか確かめてみることが大事ですね。
信用できなさそうなら専門家は何と言っているのか。
専門家の間で意見が割れているのなら中間の立ち位置を貫くべきです。
安易なレッテル貼りをしないこと
基本的には、「陰謀論」というのは、強い否定的レッテルで中立ではないってことです。
そこには何かしらの自分の感情が存在しています。
他者の主張を陰謀論だと名指しすることは、それは事実ではないって、切り捨てることを意味しています。
自分が陰謀論に嵌まらないよう注意するには、考えられない事象や、相容れない主張でも、一度中立で見てみることです。
全てに、最初からレッテルを貼ってしまわないよう、慎重になることも必要ですよね。
まとめ
陰謀論のメカニズムと対処法について紹介しました。
荒唐無稽な考えはおいといて、ある程度世界が陰謀めいているのはふつうのコトかもしれない。
だけど、「神の仕業」の代わりに、答えがない問題を全て陰謀とレッテル貼りするのはいかがなものか?と思うんです。
身近な人やあなたが、原因を求めるあまりに陰謀論ばかり考えていないか?って振り返ってみてください。