人生には空模様があると感じていませんか。
諸行無常・・・仏教用語。
仏教の根本主張である三法印の一つ。
世の中の一切のものは常に変化し生滅して、一ヶ所に留まらない。
永久不変なものはないということ。
この世の全てのものは儚(はかな)いものであるということ。
参考:三法印(さんぼういん) 諸行無常・諸法無我・涅槃寂静の三つ。
私はこの諸行無常という言葉が大好きなのですが、これはすなわち、世の中の全てのもの(万物)には、変化しないものがないということを指しています。
「世の中は、何が起こっても不思議ではない」。
現在の安定した生活が永遠のものではないと考えることにより、何が起こっても心の準備が整って、大きな心のダメージを負わなくて済むし、出会いも別れも冷静でいられると思いませんか?
諸行無常は人生、恋愛全てに当てはまる
諸行とは森羅万象すべてのことを表し、無常とは「つねならず」であり、常に変化していることを表し、世のすべての事物は移り変わるものだということを意味を表す。
これは、ブッダが悟りをひらいた沙羅双樹の花も散り、隆盛を誇る人も必ず滅びる。風の前の塵と同じで吹き飛ばされてしまうという例えから生まれた言葉です。
「諸行無常」の言葉を座右の銘にしている人も多いです。
この言葉を胸に刻んでおくことで、何かメリットが有るのか、というと、人生で、出会いや別れ、辛い苦しみ、変化にも動じない強く落ち着いた自分でいられると思いませんか?
楽しいことがあっても、出会いも別れも在りいつか終わりが来るということ
私が、昔付き合っていた人との別れでひどく落ち込んでいたそのときに、とある人に言われたことが、全ては、「諸行無常」ということ。
「諸行無常」は避けられない、変化は必然である、ということ、それを胸に刻めば、人との出会いも別れも、たいした意味を持たなくなるしすんなりと受け入れられるようになる、ということでした。
それが私の人生の教訓となったのです。
人と出会って、また離れる、ということにあまり執着することがなくなりました。
お気に入りのお店が閉店したり、かつて大好きだったものがなくなってしまうということってありませんか?
昔やっていたことは今全然興味がない、昔出会った人とは今は関係がない、人は出会いと別れ、浮き沈みを繰り返します。
永遠に同じものがないからこそ、その瞬間が楽しく、輝くものだと思うから。
寂しいって思ったり、ずっとこんな感じで、続けばいいのにな…って思っていたりしませんか。
行:おこない、出来事という意味
無:ない、否定の役割をもつ言葉
常:いつもと同じであるという意味
でも、常にこの世の中は、変化し続けており、人の気持ちも事柄も、ずっと続いていくことはなく、全てのものは変わっていき、これは万物に共通しています。
人は、同じに見えても、年を重ねている、気持ちも移り変わっている。
同じに思えても、変化を求めていても、実はそれって目に見えていないだけで、同じであり続けるものって一つもないんですよね。
わたしたちは今の状況がずっと続くのではないと思い込みがち
わたしたちは何となく、今の状況がずっと続くのではないだろうか、と思い込みがちです。
毎日日常を過ごす中で、今日も明日も、ずっと今の状態が続いているような気がしています。
でも、これって大きな間違いで、この世界にある一切のものが多かれ少なかれ必ず変化していくものであることに気づきます。
恋愛で相手の気持ちが変わった、職場の環境が変わった、不況になった…。
特に、人間の気持ちなど、一番変化しやすい部類に入ります。
「すべての事柄は日々変化するもの」と、腹をくくっていれば、全ての出会いと別れに執着をしなくなります。
もう少し生きやすくなります。
これをベースに考えれば、結婚の「不倫」、恋愛の「浮気」という定義も当たり前の人の心であり、自然なものかもしれないのです。
人の気持ちなんてものはとても不確かで、同じ気持ちでいられないのだから。
諸行無常だからこそ瞬間の幸せを噛みしめることが人生
二人でいるのが当たり前と思う、一緒に誰かといれることが当たり前。今の生活が続くことが当たり前。
誰かと誰かの関係性もずっと続くと思うと、それは大間違いで…。
今日も今までも、うまくいっている、でも明日はどうなるかわからない。
明日親が死ぬかもしれない。大事な人がいなくなるかもしれない。
数年先は、こんな風に笑っていることが、思い出になるかもしれない。
その人とは縁が切れるかもしれない、仕事は沈むかもしれない。
世の中は、このように諸行無常だからこそ、「恋」や、「幸せ」というのも瞬間的な期間において味わえる。
仕事の成功も、成功を感じているその瞬間こそが醍醐味なのです。
「人生の醍醐味は、自分の喜びが最大限に満ち溢れたその瞬間」で、そこに人生は味わいがあります。
自分でそれまで貯めた資金を投げ打って事業を立ち上げた時。
もう少し頑張れば、事業が軌道に乗るという時。
思っていた成果が出て、自分の中で手応えを感じた時。
人生が輝くのはその瞬間。
失ったもの、変化しそうになるものを嘆くのは執着です。
諸行無常を理解するということは、輝くその瞬間を大事にできることに繋がります。
一瞬一瞬を大切にしていき、全ての変化や、出会いと別れ、万物が変化していき、同じままではいられないことは必然であることを知ることで、執着していた心は消えていき、変化に合わせた柔軟な新しい生き方ができると思いませんか。
変化を感じ取り、自分のペースで行く
万物は全て変化していくもの。
でも、変化には怖さや、悲しみはつきものです。
でも、その度に一喜一憂していては、心が疲れてしまいます。
「世は常に諸行無常」だということを心に留めておくと、出会いも別れも、何かの変化においても冷静でいることができます。
変化が前提なので、その変化に対して、自分で賢く対応が事前にできるということ。
その諸行無常だから「let it be」も大切ですが、変化を事前にキャッチして、変化自体を冷静に見つめ、自分のマイペースにいれると、平穏、安定で変化にも冷静に楽しく生きていけるのです。
そうすることで、常に自分の安定を取り崩さずにいれるでしょう。
まとめ
「諸行無常」、「盛者必衰」私の好きな言葉ですが、変化があって当然と考えることで、人生の一瞬一瞬が貴重なものに感じてきます。
気づいたら、全ては過去のもの。
変化在りきなら、心のダメージを負わなくて済みます。
そして、事前に変化をキャッチして、自分を冷静に向上させていくことが大事です。
恋愛や出会い、別れ、決別などの人生の苦しみの多くは執着によるもの。
これが真理なのだから。
そこから脱却し、諸行無常の精神で、いきませんか。