最近増えているのが「拡大自殺」です。
精神科医によると、「絶望感から自殺願望と復讐願望を抱き、誰かを道連れに無理心中を図ることを精神医学では『拡大自殺』と呼ぶ」ということですが、無差別殺人と見られる事件でも、実はこの「拡大自殺」だったりするケースが多いのです。
拡大自殺の原因や、それを防ぐための方法ってあるのでしょうか?
自殺が頭をよぎって、どうにでもなれって思ったことはないですか?
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拡大自殺とは?
拡大自殺(かくだいじさつ、英:extended suicide)とはどういうものなのかというと、比較的新しいもので、まだ一致した見解というものがありません。
ですが、主に以下のケースをすべて拡大自殺と読んでいます。
- 自分とは無関係である者を殺害した後に自殺した場合
- 嫉妬妄想の対象を殺して自殺した場合
- 愛し合う相手を殺して自殺した場合
- 自分が死んだら家族が生きていけないと考えて家族を殺した後、自殺した場合(嬰児殺しを含む)
などなど、さまざまなケースが拡大自殺と呼ばれています。
無理心中と呼ばれる場合もあります。
そして、拡大自殺(extended suicide)の定義として、主に、自己中心的な動機、利他的な、あるいは偽利他的な動機から犠牲者を道連れにしようとしていること、犯罪の結果について熟慮せずに自発的に行われていることなどが新たに定義されています。
拡大自殺が増える原因
なぜ、このような拡大自殺が増え続けているのか?ということについて原因を見ていきたいと思います。
「本気で自殺を考えたことがある」人は5人に1人
人の「命」は何ものにも代えがたいものだけど、自殺者は増えています。
簡単にいうと、世の中は、生きづらくなったっていえるでしょう。
厚生労働省が平成28年度に実施した意識調査によると、5人に1人が「これまでに本気で自殺を考えたことがある」と回答しています。
たとえ自分自身は自殺を考えたことがなくても、自殺を考えるほどの悩みを抱えている人が周囲にはいるかもしれません。
自殺の背景は、病気や障害などの健康問題、失業や倒産、多重債務、長時間労働などの社会的・経済的問題、職場や学校、家庭の問題といった様々な社会的要因が複合的に絡み合い、心理的に追い込まれてしまった末のものです。
いつもと違う、に気づく人がいない
たとえば、もしも、いつも顔を合わせる人が最近元気ないなど、いつもと違っていたら…。
「どうしたの?」と周りは聞くだろうし、「眠れてる?」なんて周囲が手を差し伸べたり、話を聞くことができるって言えます。
でも、今は、そのように、本人を理解してくれる家族、友人が周りに居ないことも多いです。
今の社会では、孤立することが珍しくありません。
たとえ、その人が自殺の方法について計画を練っていたり、実行する手段を有していたとしても、それを知るすべがなかったりすることは普通にあります。
その人が孤立してしまえば、周りが気づいたりすることも、救うことすらできなかったりします。
拡大自殺を防ぐには…自分の中の拡大自殺への願望を失くすには
自分自身も、生きているのが嫌だ…って悩んでいたり、眠れない、学校や仕事、家族、健康のことなどで不安があったりしていませんか。
自分も拡大自殺をする一人になりかねない…って思ったことはないですか?
これ以上、世の中に、そして周囲に、拡大自殺が増えないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
死にたいなら一人で死ぬ
「死にたいなら一人で死ね」って意見がありますが…まぁ私もはっきり言ってそう思います。
死にたい、という思いを抱えた一人のために、何人の無関係な人が殺される…それが連鎖すると、より最悪な世の中になるっていえます。
だから、あなたもまず死にたいなら、そしてそれを実行しなければ気がすまないなら…せめて一人で迷惑をかけないようにしましょう。
世の中に恨みを抱えたりすること、悩みを聞いてもらうことと、巻き込むことは別です。
自分と自分の環境とは全く無関係な人。これを道連れにしないようにすることが大事です。
男性の方がストレスや理不尽に対する耐性が低いこと
新幹線、スクールバスの時、秋葉原の事件などなど、犯人は全部男性ですよね。
女の場合は自分の子供を道連れの「無理心中」はあっても、大勢の見ず知らずの人間を道連れするケースって、ほぼ見かけない。
これもけして良くはないけど、女の自殺者が増加したとしても、巻き込み系の事件は、男性の方が圧倒的に多いっていえます。
統計から見るに、男性の方がストレスや理不尽に対する耐性が低いのです。
だから男女とも、どちらもが理不尽に耐えられなくなったら、泣いて助けて!!と言える社会にすることが大事です。
弱虫が強がったり、強いふりして、事件を起こすよりも、心の底から泣いて助けてと頼んだら、誰かが必ず手を差し伸べてくれるから。
理不尽に耐えられなかったり、傷ついたときはそれを素直に伝えましょう。
誰もが弱さを持っていることを認めること、そしてどこでもいいので、助けを求めることです。
そして、社会がもっと人の弱さを認めることが大事です。
プロセスの分析が大事
拡大自殺の事件が起きると、逮捕者が出て、それがニュースになったとしても、それはすぐに過去のものになってしまう。
だけど、限界はあるものの、特に教育や生育環境など、その人がどういうプロセスでこうなったかを分析し、どこで社会が介入して止めることができたかを考えることが大事です。
それに基づいて具体的な取り組みを進めていくことができているか?っていうとまったくもってできていないって言えますよね。
過剰な事件報道がなされているけれど、ただそれだけ。
むしろ、大きく報じられることによって、加害者や学校に批判が向くのを見ると、こういった事件を起こす人間は、『自分が死ねば一矢報いることができるのでは』と思ってしまうことがある。
「人を殺してから死ねば、大きく取り上げられ、自分の存在を示せる」という発想になってしまうのを防ぐ必要があります。
自分よりも弱いものを巻き込むなってこと
拡大自殺を起こす犯人って、自分よりも弱い者や無抵抗な人しか巻き込まないって例ばっかりなんですよね。
まぁ無抵抗な乗客や、その場に居た人なんかを狙い、まず成功するやり方でしかやらないのが拡大自殺をする人。
「もっと巨大な組織を相手取って、最後になにかしてやろう」的なスケールのでかいことをしてもらいたいものです。
常日頃から、弱者を巻き込んで喜ぶよりも、大きな相手に立ち向かえる人間になるべきです。
そのためには、弱者なら攻撃できるだろうっていうマインドにならないような教育が必要だと思います。
まとめ
拡大自殺の原因にはさまざまなものがありますが、まずは助けてもらいたい時、自分の弱さを認識して助けを求めるべきです。
この世の中、強がっていても、実際に弱さを抱えた人ばっかりだと思います。
だから、弱さを抱えていて当たり前の世の中で、さらに助けを求めることが恥ずかしくない世の中になってほしいです。
こんな世の中でも助けを求めることで、それを聞いてくれる人はかならずいるからです。
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