「アーティストは孤独な存在だ」とか、「アーティストには孤独が必要だ」と言われることがあります。
ノーベル文学賞を受賞した作家、アーネスト・ヘミングウェイは、その授賞式でのスピーチで「書くことに最良なのは、孤独な生だ」と言っています。
また、レディー・ガガも、「自分は自身の孤独に嫁いでいると語っている。孤独であることを苦には思っていないし、むしろアーティストであるからには人生では孤独であるべきなのだ」と語っています。
「わたしたちは寂しさや孤独のなかでのた打ち回りながら、頭のなかで首をもたげる数百もの、数万もの疑問の答の手がかりを探そうとしているの」。
など名だたる発明家やアーティスト、作家は孤独やネガティブの中からアイデアを生み出しています。
孤独を「悪」というイメージが強いですが、その性質をうまく使うことで、誰も気づけない視点から物事を見ることができます。
悩む方は是非参考にしてみてくださいね。
孤独感があればアーティストなら素晴らしい創作を生み出せる
孤独感を抱える人は、アーティスト向けだという話を聞いたことはありませんか?
これは、実は心理学でも証明されています。
一つの研究事例として、何かアイデアを考えるときに創作活動に差が生まれることが歴然としています。
- 集団で行うか
- 1人で行うか
によってアイデアの質も量も変わることがわかっています。
ミネソタ大学の心理学教授マーヴィン・デュネットは、研究職48人と、広告分野の管理職48人を集めて、「単独作業」と「集団」でブレインストーミングをしてもらいました。
その結果、全体24グループのうち、その23グループが、集団よりも「個人」で考えたほうが、より多くのアイデアを生み出したのです。
アイデアの質に関しても「個人」で考えたほうが、集団と同じくらいもしくはそれ以上だそう。
組織心理学者のエイドリアン・ファーンハムは、以下のような言葉を残しています。
何か新しいアイディアを効率よく見出したい場合には単独で考えるのがベストなわけです。
集団が個人の創作を邪魔してしまう理由とは
なぜ創作活動が孤独であるべきなのか。
なぜ、アーティストが孤独であるべきなのか。孤独にアイディアを考えた方が量も質も多く生まれるのか。これには、3つの要因が挙げられています。
他人任せで自分は何も出さない人がかならず現れる(数の法則)
2.生産妨害
発言したりアイデアを提示したりするのが主に一人だけ、その他の人が同時に発言できず動けないので生産性が悪い。
3.評価懸念
他人からの評価が気になって良いアイデアがでない。周囲の評価を懸念して、斬新なアイデアが出ない。ひどく遠慮をする。
クリエイターという職業は、孤独になるタイミングは多いです。
孤独だから創作をしたいと思うのかもしれないし、創作したいから孤独になるのか。
常に、孤独がつきまとう仕事ですが、これを見ると、孤独と創作活動が切っても切り離せない関係なのは、組織になると、評価の懸念、妨害が入り最終的には「孤独にならないと創作なんてできないから」です。
自分の仕事を最終的に終わらせるには孤独を必要とする。
だからこそ孤独が好きな人間や孤独が苦にならない人間はクリエイティブな職業はとても向いているのです。
むしろアーティストであるからには人生は孤独でいい?アーティスト性を強みにするには
先程の孤独は、「自らが選んだ孤独」になります。
こちらの組織から脱却した孤独については、なにかに没頭したり、周囲から受けるストレスから解放されたりと、ポジティブに作用する場合があります。
しかし、ここで問題なのは、常に孤独な心を抱えている場合。
例えば自らが選んだわけではない、望まない孤独であり、それがネガティブに心に作用している場合。ネガティブな孤独は、依存症やうつ病という病へ至る原因になる可能性があります。
ただでさえ、アーティストには「孤独を自ら選ぶ」特性があり、実は、「誰といても理解されず孤独を感じている」というネガティブな側面もあります。
そんな側面はどのように創作活動に影響しているのでしょうか?
思考が深いからこそ既存のものを疑ってかかることができる
日本人は何かと、1つの答えに大勢の人を合わせる教育をされており、自分で正解を見つけるのが苦手です。
まず孤独を感じやすい人の何より重要なのが、既存のものを「疑ってみること」に長けていることです。
人類初の哲学者とされるタレスは、それまで当たり前だった天地創造の神の存在を疑って、「万物の根源は水である」と説きました。
この視点が大切で、「当たり前に」疑いの目を向けることで、新しい可能性を見つけることができるんですね。
それって本当に正しいの?という視点を持つだけでも十分にアーティスト気質は磨かれていきます。
人とは違った視点、既存のものを疑って見る心。それが孤独の中で積もりに積もり、創作活動で、それが爆発することになるのです。
世間とのズレがあるから何かを表現できる
孤独には悪いイメージがありますが、世間とのズレがあるから何かを表現する意味にもなります。
世界を変える、常識を覆すのは、いつでも「孤独な人」です。
パブロピカソ、トーマス・エジソン、レディガガはもちろん、その才能を活かして、社会を自分の常識で塗り替えよう。人と違うちょっとキチガイな部分が、最大の武器になります。
ぜひ、アーティスト気質を自分なりの方法で活用してみてください。
名だたるアーティストは孤独と向き合って、社会を動かす作品を創作しています。
ただ、必ずしもアーティストにならなくて大丈夫です。
孤独なひとは創造力を活かした活動のなかで才能を発揮しやすいため、作家、ブロガー、アート、多くのものを生み出し、どこかの誰かを感動させる。それが生きがいとなっていくでしょう。
人の痛み、苦しみ、不安を人一倍感じるからこそ良いものを生み出せる
創作活動を行う人、アーティストをする人というのは、内面世界が充実しているからこそ、すぐれた作品を出す一方、私生活ではさまざまな苦悩を経験する人も多いといわれています。
ただし、その反面、実はバランスが取れているのです。
人一倍苦悩を感じるからこそ、同じ思いを抱える人の気持ちが分かり、それを素晴らしい作品へと昇華させることができます。
寂しさや孤独、不安を一番感じるからこそ、そのなかでのた打ち回りながら、頭のなかで首をもたげる数百もの、数万もの思いを形にすることができるのです。
人生の2つの側面を受け入れる
どんな気質でも、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。
宇宙は2つの相対するものをペアとして宿しています。喜びと悲しみ、光と影など。
ポジティブな側面、ネガティブな側面化のどちらかの片方だけを経験しようとしても、人間それは不可能です。
片方の側面だけを追い求めていると、徐々に力を失っていき、夢を実現することができないでしょう。
苦痛より喜びを感じたり、喜びよりも、苦痛を感じたりする時、どちらか一方に偏ってしまいます。
この世界に存在している理由は、その2つの側面が「アーティスト」や、「創作」、「クリエイティブなこと」のミッションの実現には欠かせないこと。
そしてそのミッションを実現するために、自分がこの世界に存在していることを心に留めておきましょう。
2つの側面を同時に経験していることを認識しなければ、目的を成し遂げることができません。
マイナスな孤独という感情を認めた上で、その恩恵に感謝することが悩みを解決する方法です。
まとめ
創作活動というのは、個性的であることが評価される一方で、産業として成立することも求められるのがアーティストです。
こういった創作をする仕事、クリエイティブな職に付く人というのは、すぐれた作品を出す一方、私生活ではさまざまな苦悩を経験する人も多いといわれています。
ただし、寂しさや孤独、不安を一番感じるからこそ、そのなかでのた打ち回りながら、頭のなかで首をもたげる数百もの、数万もの思いを形にすることができるのです。
どうして自分は孤独なんだろう…。
ネガティブな思考をなんとかしたい…。なんて悩んでいませんか?
そんな人も、個性を生かしながらぜひ、アーティスト気質を自分なりの方法で活用してみてください。