- 「あいつだけは許せない」
- 「もう何年も前のことなのに、恨みが消えない」
- 「(嫌いな人、いじめられていた人を)SNSで見つけてしまうと、恨みを晴らしたい衝動にかられる」
こういった恨みの感情で、胸がいっぱいになっていませんか?
中には、それが消えなくて、眠れない夜が続いている方も多くいらっしゃることでしょう。
復讐の方法や呪いのおまじないを調べて、密かな復讐をしている方も少なくありません。
そこで、復讐するべきか悩んでいるあなたへ、解決策をお伝えします。
恨みの念が消えない…その理由
あなたはいま、誰かを恨んで苦しんでいませんか?
酷い裏切りをした元カレ、女友達、あなたを陥れようとする同僚、あるいは過去にトラブルがあった相手、あなたを苦しませた人をたまたま見つけたなど。
「恨みを捨てたい」と思っても、受けた仕打ちを思うと悔しくて恨みの念が湧いてきてしまう…怒りが止まらない…そんな気持ち、感情をどうしたらいいのでしょうか?
恨みの念がなかなか消えない理由をご紹介します。
吐き出すだけでは心は満たされない
私も、「本当に腹が立って許せない…。」みたいな気持ちはもちろん、持ったことがあります。
夜も眠れないほどの怒りが湧いていたり、理不尽を抱いていたとします。
だけど、ただ吐き出すだけでは、本当の意味で心が満たされたとは言えません。
あなたは許せないほど憎いのに、相手はのうのうと生きていたり、楽しそうに笑っていたりするからです。
そんなシーンを少しでも見たりすれば、独り言に過ぎないんだ、と感じてまた憎しみが湧き上がってくるはずです。
恨みを抱いた出来事がかなりあなたにとって大きな出来事だった
恨みを持っている人は、どんな出来事が恨みの原因となりましたか?
場合によっては、その恨みは人生に長く影響していきます。
心理学者の山野保(1987)は、「恨みの心理」にて、恨みを次のように定義しています。
- だれかにひどい仕打ちをされて不快になった思いを、辛抱し続けた結果でてくる感情
恨みとは不快な出来事からすぐに生まれて発散できるだけのものではありません。
ある程度時間が経過して生まれたりする感情でもあります。
人生の必要な時期で、恨みと折り合いをつけないと、長期的にマイナスの影響になってしまいます。
不公平感
たとえば、自分を快楽のために使われた、人間的な扱いを受けなかった…など、非倫理的な被害を受けたときには強い不公平感を感じます。
自分だけが不幸な目に合っている、自分だけが不利益を被っていると感じる場合には、さらに恨みは大きくなります。
恨みの感情の悪影響
恨みの感情は私たちの生活に様々な悪影響をもたらします。
そんな「恨みの感情の悪影響」に目を向け、いくつか研究を紹介します。
恨みは生活の質を下げる
恨みは生活の質(Quality of life; QOL)を全般的に下げます。
実は2008年の研究に、敵意とQOLの関係が調査されています。
その結果、敵意がすべてのQOLの項目と、負の関係にあることが分かりました。
敵意と恨みは近い概念なので、同じ傾向があると推測できます。
恨みが恨みを呼ぶ
恨み感情が強い子どもはいじめに参加する「いじめ支援者」や、いじめに積極的に加わる「いじめ強化者」になりやすいことが判明しています。
基本的に、恨みは負の連鎖になることが多く、いじめ、他者への攻撃に繋がります。
基本的に、恨みが恨みを呼び、きりがないと考えておけばいいでしょう。
恨みは歯止めがきかなくなると犯罪につながる事もあります。
実際に、法務省が公開している研究報告では、殺人を犯した52名(51名男性:1名女性)の犯行動機の内訳として、犯行動機の第2位に「他者に対する恨みや怒りを晴らす」とあります。
加えて第1位は、「自分の現状に対する不満」です。
こちらに関しても、社会や周囲に分かって欲しいという気持ちが、恨みの感情につながっていることがわかります。
恨みを晴らす方法…心を浄化することはできる?
私は基本的に、相手に恨みを抱えないことにしています。
一番大きな理由は、そんな相手と関わることによって、不快な思いをそれ以上したくないからです。
ですが、いつまでも恨みが続いて心が落ち着かない人も居ますよね。
ここからは恨みを改善する方法を考えていきたいと思います。
感情と分離し「エビングハウスの忘却線」に当てはめる
恨みの感情を思い出せる人は、まるで昨日のことのように、思い出せるでしょう。
なぜ、随分前のことでも昨日のことのように、思い出せるのでしょうか。
それは、自分自身で、腹が立った出来事を頭の中で、何度も思い返し、反芻しているからです。
そもそも、私たち人間は、古い記憶を忘れるように出来ています。
これをエビングハウスの忘却線と言います。
- 記憶は、覚えた直後に、半分近く忘れてしまう。
- 残った記憶は、ゆっくり忘れていき、長く保持される。
意味を持たせなければ、もれなくエビングハウスの忘却曲線に則って、私たちは記憶を忘れていきます。
にも関わらず、覚えているのはなぜかというと、恨みを持つ人は、その出来事に「過度な意味を持たせているから」だと言えます。
人は出来事自体を覚えているのではなく、出来事を意味あるものに位置づけた「感情」を覚えています。
つまり、出来事と感情を一体化して考えてしまいます。
実は、出来事は常に、中立な立場で起こります。
そこに意味づけをするのは、常にあなたの解釈です。
〇〇さんがしてきたことに関して、あなたの解釈が何らかのジャッジをして、感情を決定しています。
その解釈を緩めることができていないから、昨日のことのように思い出すのです。
物事は常に中立だということに気づくことができれば、あとは、恨みの感情はマイナスの感情。
その反対のプラスの感情を書き出してみてください。
恨みを晴らすおまじないを行う
長い人生、生きている上でどうしても、嫌いな相手や苦手な相手、呪ってしまいたいほど許せない相手というのが出てくるものです。
そんなときに試して頂きたいのが、今回ご紹介した憎い相手に天罰を与える、恨みを晴らすおまじない。
これをすることで、気持ちがスッキリします。
「もっと相手を呪いたい」とか、「もっともっと苦しめたい」などと、欲を出してしまうことを防止する効果もあります。
※このおまじないは、憎い相手と会う前日の夜に行って下さい。
- 赤色のペンを使って紙に、「死」と書きます。
- 紙に書いた「死」の文字を、しっかりと見つめて下さい。
- 真っ赤な字で書いた「死」の文字を見つめながら、「〇〇に天罰を、〇〇に天罰を、〇〇に天罰を」と3回、心の中で強く唱えましょう。
- 憎しみを込めて心の中で唱えたら、紙を捨ててその日はそのまま眠りにつきます。
- 翌日、憎い相手に会ったときや見かけた時、、昨夜「死」の文字を見つめていた目で、相手をじっと睨みましょう。
- 相手を睨んだまま、「憎い、憎い、憎い」と、同じく心の中で強く念じて下さい。
自分を大事にすると決意
まずはじめに、自分を大事にすることを決意しましょう。
恨みをそのまま誰かにぶつけていると、大概の場合は自分にとっても不幸な結果になってしまいます。
私は、他の誰かとぶつかっている時間って、ただ自分をすり減らす時間だって思っています。
暴言を吐く、物理的な行動にでる、物を壊す…これは、自傷行為と同じなんです。
だから、恨みの感情から自分自身を守る!と堅く決意をしてください。
サポート体制を整える
社会や周りはとても暖かいものです。
恨みにかられていると、社会は冷たいものだって思いこんでしまって、サポートを受けずに孤独に戦ってしまいがちです。
でも、実際そうではなくって、あなたを助けてくれる存在っているものです。
サポートなんていらないって思うかもしれませんが、怒りや恨みが大きければ大きいほど、その気持ちと向き合うリスクは大変なものとなります。
悩みを一人で抱え込むことが多い…と感じる方はソーシャルサポートを利用してください。
さらに、人とだけでなく、ホッとできるような本をたくさん用意しておくことも大事です。
恨みをうまく処理できた方の体験談をネットでも読むことができますし、たとえば、名言集などが手の届く範囲にあると安心できると思います。
専門家を頼るだけではなく、色んなもの・こと・人があなたのサポート役になってくれます。
恨みは、昇華させて人生に活かす
浄化、昇華は、自分の中で受け入れがたいことがあったときも、望ましい方向に変化させ発散させていく心の働きのことです。
私も、今までにいろんな経験をしてきたし、忘れがたい出来事もあれば、癪に障って仕方がないこと、理不尽な思いをしたこともあります。
嫌な人に出会ったこともあるし、人生が多少狂ったりもしました。
これからもそういうことが起こり得るかもしれません。
だけど、通り過ぎてしまえば、その人のことなんて、考えもしません(笑)
それはなぜか?
たとえば、いじめにあった経験があったとします。
- 恨み⇒マイナスに使う人
- 恨み⇒昇華できる人
このようにマイナスの心理でも、プラスの行動に役立てることを昇華と言います。
結局、恨みの感情を抱いた時は、昇華したほうが自分にとってのためになるのです。
まとめ
いかがでしたか。
復讐では、恨みの感情を深めるだけ。
「人を呪わば穴2つ」ということわざがあるけれど、復讐をしようとすると、いつまでもその恨みを引きずって生きていかなくてはならないです。
恨みに取り憑かれて、どんどん心が侵食されていくんです。
恨みを強める行為はもうやめて、恨みを昇華させませんか。
出来事自体は常に、中立。
その出来事に意味をもたらしたのは、あなた自身です。
悩みを中立にするために、サポートをまずは利用してみてませんか。