読書をしない人もいれば、読むけれど、小説は読まないという方は結構いると思います。
書籍の売上を見ていても、自己啓発書や、実用書が常に上位にランクイン。その中でも特に小説は軽視されがちです。
”小説なんて所詮フィクション”
と思う方もいるかもしれません。
ただ、そのフィクションに秘められた力があると思います。
私の場合も、なにか悩んだり、落ち込んだりしたら小説を読んだりします。
実は、公にしていないですが、私自身もブログだけではなく、Kindle作家でいくつも作品を出しています。
悩みが解決したり、実は他の書籍では知り得ないことがしれたりと多くの効果があります。
そちらについてご紹介したいと思います。
小説の効果はメリットがいっぱい。小説を読まない動機と悩みが解決する?
小説は実用書に劣る…。そう思い込んでいる彼らにとっては、小説はフィクションの世界であり、そのフィクションに意味を見出さないかもしれません。
ただ、小説は直接的、現実的に人を助けることはないかもしれませんが、そこには大切なものが眠っているのです。
実用書は、「時間」という資産を払い、「特定の術」というリターンを得られるわけです。
小説に関しては、妄想で、感情という、言葉に出来ないはずのものを、言葉で伝えるという無理難題をやっています。
つまり、読み手の感じ方の自由度が非常に高いという特徴があるので、感性が磨かれるのです。
たとえば、「陰と陽」でバランスが取れているということを伝える場合にも、ショートショートの小説でもいろんな書き方ができます。
小説の効果とは、読むことで、さまざまな比喩表現を学ぶことができます。
読んでいる間に、感情表現と比喩表現、伝え方や、感性が磨かれていきます。
そして、実生活でも、何か自分でメッセージを伝えたいときに、その用法と使い時と相手を考えることができるようになります。
ビブリオセラピーと小説
「ビブリオセラピー(読書療法・Bibliotherapy)」という言葉をご存知でしょうか。
1916年に、牧師で人気エッセイストでもあったサミュエル・マッコード クローザーズ(Samuel McChord Crothers)氏によって初めて使用されました。
この言葉は、「人々が抱える問題の解決を本で援助する技法」を意味します。
その後、欧米でこのセラピーの訓練プログラムが確立されており。現代では、読書を用いて心理的な支援を行う、心理療法のひとつと考えられています。
つまり、本が行動を変え、苦痛を減らしてくれるわけです。
2013年6月には、なんと政府公認で、医師が精神疾患の患者に対して「薬」ではなく、「本」を処方する医療システムが英国で始まったそうです。
医師が患者の症状に合わせて適切な本を処方すると、患者は薬局ではなく、図書館へ行って処方された本を借ります。
日本では、ありえないかもしれませんが、海外では既に一般的で、このビブリオセラピーは、すでに他国にも広がりをみせています。
米イェール大学の研究チームが12年間にわたって調査を行った結果、週に3時間半以上読書をする人は、全く読まない人よりも死亡率が23%低いと結論づけられました。読書時間が3時間半に満たない場合でも17%低くなり、読書をする人は、読書をしない人に比べて2年も長生きするのだそう。
小説を読むことで悩みが解決したり、気持ちが楽になる?
小説を読むことのメリット、ビブリオセラピーについては、先程ご紹介しました。
その他にも、読むことで、気持ちが沈んでいる時に悩みが解決したり、気持ちが楽になったりします。
「架空の話なのになぜ?」って思うかもしれません。その理由をご紹介したいと思います。
心の中のモヤモヤを言語化
読書で得られるいちばんのメリットは、心の中のモヤモヤを言語化してくれること。
ドロドロしていた感情。この正体がわからない。こういう経験をしたことはありませんか?
小説を読むことで、これが言語化されて、頭の中でしっかりと形づくられて、これからの生きる指針のようなものになるんです。
とくに古典文学を読むと自分が探していた言葉がいくつも見つかります。それを他で言語化することが出来ます。
今まさにコロナ禍や、悩みで心を痛めている人に、「本を読めば救われる」とは言わないですが、辛い状況を客観的に見ることができるのです。
少ない時間で多くの人の人生を追体験できる
時間って本当に貴重なものです。人生に残された時間って実はそう多くはありません。
20代だって、あっという間に過ぎ去ってしまいます。
気がついたら、大切な1年の半分が失われてしまっていることもあります。
コロナ渦で、本も読まない、コンサートも行かない、ネットニュースを眺めたり、チャットやゲームしているだけで過ぎていく…。
そんな時間はとてももったいないです。
なぜなら、本来であれば、この半年だけでも、多くの人生経験を積むことが出来て、ドラマのような人生を送ることが出来て、経験すべき多くの出来事があったはずです。
「実は、リアルな日常の方が常識に囚われ、周りに合わせた結果生まれる虚構でしかない。小説で描かれている世界は、そういう余計なものを削ぎ落とした世界」
人生は短いから、できる範囲で面白いことや楽しいことをやることは限られている。
小説なら、常識にとらわれない世界の中で、別の人生体験が出来て、感情移入できて、多くの人の人生を楽しむことができます。
作品を通して「生きていればいろんなことがある」と、限りある時間の中で思わせてもらえるわけです。
悩みが解決できるのは、小説を通して、自分の今の悩みがちっぽけであることが理解できるからに違いありません。
フィクションがより治療的?
実は、特に癒されたいと感じているならば、フィクションがおすすめです。
2013年の時点で、英国のNHS(国営医療サービス)がビブリオセラピーのために指定していた本はすべて「自己啓発」のジャンルだったそうですが、しかし、オグデン博士は2016年に「ビブリオセラピストは哲学や、詩、ノンフィクション等の本を処方することもあるが、小説がより一般的だ」と述べています。
それはなぜなら、私たちが物語の登場人物に感情移入し、涙を流しているとき、実は自分自身のために泣いているのといわれています。
主人公が窮地に陥れば、その際の教訓を自分のことのように学びます。
主人公が最後にハッピーになれば、私たち自身もハッピーになれるということです。
映画や、動画などを見る方が多いですが、実は情報が多すぎる映像よりも、活字でその向こう側の世界を想像するほうが、より登場人物に自分自身を置き換えやすくなり、想像力を広げると言われています。
あなたが、悩みを持っていて、相談をしても解決しないなら、深い小説の世界で、心を癒やしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
小説を読む効果は確かにあります。
実は自分の悩み解決に役立ったり、自分が経験できない人生を体験できることでセラピーにもなりえます。
ノウハウ本を読むことが偉くて、小説を読んでも役に立たないと考える人もいるとは思いますが、実際そんなことはないです。
あなたが悩みを抱え、現実に苦しんでいるなら、相談先がなければ、同時に小説で泣いたり、笑ったりして心を楽にしていくのも一つの方法です。
ぜひ参考にしてみてください。